①平成13年度

　広島市では、現行の玖谷埋立地に続く新規埋立地の選定作業に着手
②平成14年度

　湯来町長が広島市との合併を進展させるため、埋立地の町内誘致を提案する考えを表明
③平成15年度

　埋立地誘致を大きな争点の一つとした湯来町長選挙において、誘致を表明した現職町長　が再選
④平成16年度

　広島市では新規埋立地を４か所に絞り込み。

　一方湯来町では埋立地の基礎調査に係る補正予算を成立させ、候補地を恵下地区とする　調査報告を町議会に報告

　また合併協議の中でも候補地は恵下地区と提案
⑤平成17年度

　広島市と湯来町が合併
⑥平成18年度

　埋立地としての適性調べる調査を実施した結果、恵下地区は埋立地としての適性を欠く　要因はなく、既に絞り込みを行っていた4か所と同様に候補地として位置づけ
⑦平成19年度

　恵下地区を含めた５か所の候補地について、環境・社会・経済面による総合的な比較検　討を行った結果、恵下地区を最優先候補地に選定
⑧平成20年度

　恵下地区に新たな埋立地を整備することに決まりました
⑨平成20年度

　環境影響評価調査
⑩平成21年度～平成22年度

　環境影響評価についての説明会を開催
⑪平成19年度～23年度

　先進地の視察
⑫平成23年度

　３月31日に建設合意書を湯来町の水内地区町内会連合会と締結

　（ただし、連合町内会長一人の印鑑）
⑬平成24年５月30日覚書を湯来町の水内地区町内会連合会と締結

　場所：広島市佐伯区湯来町恵下地区
　埋め立て容量：160万㎥
　埋め立て期間：30年（状況により延長あり）
　工事車両、ゴミ搬入、浸出（汚染）水の送水ルートはすべて戸山地区を通る計画

　3台のポンプで90ｍアップして320ｍ自然流水、さらに40ｍを3台のポンプでアップ、ダウンを繰り返してポリエチレン管を道路下に埋設し約13ｋｍ（新設トンネルでの計画）先の公共下水に接続する浸出水排水方法

　・ポンプの内１台でもストップすると排水がストップする
　・マンホールが８０数か所設置され、道路の陥没、地震等で段差が生じ管路とマンホー　　ルの接続箇所から汚水が漏れる可能性が高い
　・道路内布設で管路状態、マンホール状態が確認しにくい
　・道路決壊等で管路が流失した場合、浸出水の放流ルートが無くなり、浸出水調整池が　　あふれ、水内側に流れ、太田川が汚染され、高瀬堰での飲料水原水が汚染される
　・6台のポンプが年中稼働し電気代、維持費、管理費、更改等多大な費用が発生する
　・戸山内の管路には常時浸出水が滞留し漏水箇所があると漏れ続ける
　・自然流下やマンホール内滞留等により正確な流量が測定できず漏水に気づきにくい
　・全国でも6台のポンプでの排水は無く技術的に不安がある
　・ゴミ処分場本体斜面へのベントナイト、自己修復シートの未設置で汚染水の流出の可　　能性が大

・恵下埋立地放流管測量及び実施設計業務を2012年8月7日から2013年3月29日までで㈱浪速技研　コンサルタントに10,476,900円で業務委託

　この業務は基本設計で決定した内容に従って工事発注及び工事の施工に必要な一切の図書を作成するのが目的。

　その設計仕様は延長約12.6ｋｍの区間を全線圧送によって送水する、というものである。
　しかし、設計検討を開始したところ、基本設計の決定仕様では実施することが不可能であることがわかり全線圧送から部分圧送に仕様変更が行われた。
　結果、設計期間は１年以上の延長の2014年3月31日までとなり、設計委託金額を

20,575,800円に増額。
　・工期が235日間から602日間の2.56倍になった
　・委託金額が10,476,900円から20,575,800円へと1.96倍となった

　浸出水（汚水）の送水ルートは目的地まで大きく迂回すると共に揚程100ｍ、送水停止時の静水圧水頭320ｍ、延長12.6ｋｍに及ぶ長大な圧送管により公共下水道に放流するもので、この計画そのものに無理があった。

　基本設計の全線圧送は、上水（水道水）を前提とした設計で、汚水送水である本件では①空気滞留区間の問題　②流速確保の問題　③滞留区間の問題　④弁類の問題で、不可能な送水ルート、方法を安全と称して地元提案。そして、実施設計が不可能と判明すると、地元には原因を隠してさらなる安全な方法として現在の５台ものポンプアップ、自然流下方式に変更すると提案してきた。

　そこで住民側から、小断面トンネルを用いて送水する案（圧送をなくすこと、送水距離を短縮すること、電源ケーブル入れ）を提案した。

　しかし、広島市は戸山側への迂回ルートは59億円で、住民提案のトンネル案は127億円とのずさんな試算（高速道路規格のトンネルで積算）で変更できないと回答。

　住民側提案の小断面トンネルは、適性に算出すれば40億円程度で、しかも安全性が高く維持費が安いことは明確であるにもかかわらず。

　次に、大古谷ルート（2.5ｍ位のトンネルを掘ってその中に排水管、電源自然流下）への浸出水の合流可否についても、市の見解は杉並台からの公共下水に恵下の浸出水を合流させると容量が足らないので流されないと回答。
　しかし、実際には元専門家が本公共下水道の竣工図から割り出した送水能力は浸出水を含めた2倍の水量でも送水可能であることははっきりしているのに、市は反論できなくなると「そもそも大古谷ルートでの排水トンネル建設は考えてないので検討はしていない」との開き直りの回答をしてくる始末。

　さらに、ここ1か月前に交渉委員の市の安全性を揶揄した発言に乗っ取って、突然戸山側の自然流下区間を2ルートから１ルートに変更⇒排水ルートの危険性の増大、市の予算削減すると言ってきた。

　そして、あろうことか戸山以外への自然流下への交渉を鋭意進めている最中に、市の計画に乗っ取ったポンプ設置設計書の発注をしていた。

　⇒住民との交渉をないがしろにする不誠意の現れ！

　入札額：1100万円、2014年8月22日入札⇒契約期間2015年3月27日まで

　業者名：㈱　安芸建設コンサルタント（設計図面はほぼ完成している） 

　・浸出水は自然流下で大古谷ルートで放流すること。
　・トンネル掘削のダンプは戸山通過を認めない。

　・早期に湯来方面の道路を整備して通す事
　・申し入れる対策事業に取り組むこと

【市の回答】
　・浸出水は高度処理をして戸山ルートを変更せず施工したい
　・ダンプ等工事車両は湯来側の道路工事が平成31年度に完了予定なので全て戸山を

　　通過する
　・対策事業は市の計画を受け入れたら前向きに検討する

　市側は計画を変更する気は一切無く、戸山地区の住民と交渉する必要もないと考えており、浸出（汚染）水の送水ルート、方式の危険 性、工事車両やゴミ運搬やの交通問題など、地域住民の犠牲にもまったく配慮しない。さらに、対策事業は市の計画を受け入れたら前向きに検討するなどと言う ことは、完全に住民無視の何物でもない！

　戸山地区には一片のメリットはなく、全ての負担を背負わされるこの計画を絶対に認めることはできない！