ご協力をお願いします!

恵下埋立地整備工事の浸出水送水ルートの強制執行を阻止するために

立木トラストに取り組みます!

 広島市のゴミ最終処分場の建設問題で、恵下埋立地整備工事では、地域住民を無視した強行姿勢で、本体工事を始めました。

 そこで、浸出(汚染)水の送水ルートの強制執行を阻止し、危険な浸出(汚染)水の送水ルートおよび方式の見直しを求めていくために、新設が予定されているトンネルの坑口付近の立木トラストに取り組むことにしました。

 事務局では趣意書、オーナー契約書、振込用紙等の一式の資料を用意しておりますので、一人でも多くのみなさんに立木のオーナーとなって協力していただきますようお願いします。

 お問合せから、「立木トラスト希望」と記入のうえ、住所、氏名、メールアドレスをお知らせください。

 事務局より、折り返し立木トラストの資料一式をお送りします。

立木トラストとは

 地権者が所有する土地にある立木(木の価値は問わない)の所有権を立木オーナーとなる第三者が買い取り、所有権を獲得する契約行為を通じて地権者だけでなく、立木オーナーが、土地買収当事者に対して、法律的に交渉する権利を持つことで土地の買収を困難にさせ、交渉を有利に進めるための取り組みです。
 仮に土地の買収に地権者が応じても、立木の所有権はそのまま存在するので、土地の買収者は立木オーナー一人一人と買収交渉をしないと勝手に木を切ったりできません。

 民法86条では、土地に付属する立木も不動産として定義されています。従って、立木も本来は登記によってその所有者を明らかにしなければなりませんが、いちいち立ち木を登記できないので、立木にその所有者がわかるように掛札等により明示することで所有権を獲得できます。

 これが所有権の明認性ということで、裁判でもその有効性が確認されています。

 

恵下埋立地の浸出(汚染)水の送水ルート変更ためのトンネル坑口で立木トラスト

 

趣 意 書

恵下埋立地 浸出(汚染)水の送水ルート等見直しを求める立ち木トラスト


 「恵下埋立地(仮称)整備事業」は平成28年5月中旬着工・平成32年度供用開始を目指し、太田川上流の広島市佐伯区湯来町水内(みのち)地区の谷あいに計画されています。
 埋め立て容量は160万㎥で、最低でも30年間埋め立てる計画です。
 この計画は、当時の広島県佐伯郡湯来町が破綻しそうになり、広島市との合併促進を図るために、このゴミ処分場の設置を提案しました。合併後(2005年4月25日広島市編入)に当時用地選定に苦慮していた広島市が処分場として決定したものです。
 地元との協議の過程で出された不安全要素の①浸出(汚染)水の送水ルート ②工事車両の走行 ③ゴミの搬入ルートについては、決定の際に隣の戸山地区にはまったく相談もないままに、水内地区町内会連合会と設置を合意(連合町内会長のみの印鑑で)しました。
 浸出(汚染)水の送水計画は当初、全圧送方式でしたが、実施不可能な設計のミスを隠し、急きょポンプ3台で約90mポンプアップ後、一気に320m自然流下させ、さらに3台のポンプで40mのアップ、ダウンを繰り返し、公共下水道まで約13km(トンネル新設を含む)におよぶ全国でも例の無い送水方式に設計変更しました。
 戸山地区町内会連合会で、現ルートでは不安があるので全面自然流下での別送水ルートや工事用車両の分散走行等を要望しても、「現計画以外の公共下水道では容量が足りない」、「新たな土地取得には時間がかかり供用開始に間にあわない」等のいい加減な回答で、市が計画した送水ルート、車両通行以外の方法にはまったく聞く耳を持ちません。
 無数の谷の集合地にある恵下埋立地は、先般発生した熊本地震の規模や、平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害に対応した構造にはなっていません。浸出(汚染)水調整池の容量も標準の設計の約半分しかなく、埋立地本体の崩壊や、さらに無理な送水方式はポンプの故障や送水ルートの遮断による浸出(汚染)水の漏れ出しの危険が払拭できません。市民の飲料水に利用している太田川の源流の水内川や吉山川を汚染の危険にさらすことは許せません。
 広島市は新たにトンネルを設置し、浸出(汚染)水の送水ルートやゴミ運搬車もここを通す計画にしています。戸山地区は農業振興地域に指定された農村地帯で、ほぼ全域が土砂災害危険地区になっています。
 戸山地区住民の生活と安全・安心、農業と自然・環境を守るために、トンネル坑口付近の地主の方も地域住民を無視したこの計画に反対し、土地の売買契約に応じていません。しかし、広島市は強制収用もチラつかせており、恵下埋立地の浸出(汚染)水の送水ルート、方式および工事用車両、ゴミ搬入車両の走行ルートの見直しを求めるために、ここに立ち木トラストを取り組むこととしました。
 以上の趣旨をご理解いただき、別紙の契約書の通りオーナーを募集しますので、ご協力をお願いします。

                  2016年5月10日  広島の水と緑を守る会