広島の水と緑を守る会とは・・・

結成までの経過

 わたしたちが広島の豊かな自然と市民の飲み水である太田川に関心を持ち始めたのは、広島市が佐伯区湯来町に計画している「恵下(えげ)埋立地整備事業」が、とんでもなく無茶苦茶な計画であり、湯来町水内地区と沼田町戸山地区の住民を無視した広島市の強引な態度を知ったことに始まります。


 ごみ処分場は迷惑施設であり、誰もが近くに作って欲しくはないものですが、人間が生活するにあたって、ごみ処理問題は避けて通れないことは理解しています。だからこそ、住民への負担を最低限に抑え、設備は安全であるべきです。
 そんな中で戸山地区住民に対して、戸山公民館で2015年11月19日に広島市による説明会が開かれました。
 しかし、市側の説明は住民の不安や心配に油を注ぐようなものでした。
 これを聞いて「これは湯来と戸山だけの問題ではない。太田川のはるか上流で起きている問題は、下流域に住み、飲み水として使っている全ての市民に関係のある重大な工事計画だ」と気づきました。
 そして、今までこの問題に長年にわたり専門的に調査検討されてきた“ 恵下埋立地と水内(みのち)川を考える会 ”のみなさんに出会い、その莫大な資料をもとに、まず知ることから始めました。

 恵下のごみ処分場がいったんできてしまうと、最低30年は埋め立てが続きます。埋め立てられるのは、可燃物を燃やした残りの灰、家庭から出た不燃ごみや事業系の不燃ごみなどなど。。。
 しかも、埋立が終わったら「おしまい」ではなくて、そこには未来永劫、自然に還ることのないごみが存在し続けてしまう…。
・埋めたごみから、有害物質が漏れ出さないか??
・全国でも例をみない浸出(汚染)水の送水ルートと方式は本当に安全なのか??
・ごみ処分場がみんなの飲み水・農業用水として使われる太田川の上流の山の中にできて しまって大丈夫??
・50年後、100年後、広島に住む人たちの飲み水、食べ物は、安全なままでいられるの か????

 市側の説明は、こうした漠然とした不安から、とても危険な設備であることの確信を持つに至りました。また、市の事業をチェックする市議会議員も「ごみ処理施設は必要なものだから」、「地元合意が取れたならよかったよかった」と、具体的な設計や費用の細かな内容を勉強することもなく賛成していることにも憤りを感じます。
 私たちは、自分からは遠いと思っていることでも、実際には自分に関係することがたくさんあることを知り、特に自然豊かなこの日本の水と緑を守るのは私たち自身でなくてはならないと思い、小さなことにも目を向け、関心を持ち、考えていこうと「広島の水と緑を守る会」を結成することにしました。

会の目的

 広島の水資源、森などの自然環境を守るため、環境の調査、行政への提言、また各種イベントを通じ、環境保護への意識向上を図る。

当面の活動

 当面する問題として、恵下埋立整備事業の浸出(汚染)水の送水ルート、方式の見直しを求めて、取り組むこととします。